2024/09/22 08:00

災害発生時、避難所での生活環境の確保は重要な課題の一つですが、その中でも特に「トイレの確保と管理」は健康や安全に直結する大きな問題です。阪神淡路大震災や東日本大震災(3.11)では、トイレの不足や衛生問題が被災者にとって深刻な影響を及ぼしました。これらの教訓を踏まえ、内閣府は2016年に「避難所におけるトイレの確保管理ガイドライン」を公表し、自治体に災害時のトイレ対策を呼びかけていますが、取り組みは低調な状況にあります。
■自治体のトイレ対策の現状
2023年の調査では、332の自治体から回答が得られ、以下のような現状が明らかになっています。
1. **災害時のトイレ確保・管理計画の未整備**
約75.9%の自治体が、災害時におけるトイレの確保や管理に関する計画をまだ策定していません。避難所でのトイレの管理計画がない場合、実際の災害発生時に混乱が生じ、十分な対応が取れない恐れがあります。この状況は、被災者の健康被害や感染症のリスクを高める原因となります。
2. **災害用トイレの備蓄不足**
また、災害用トイレの備蓄についても、41.3%の自治体が「不足する」と答えています。一方で、30.7%の自治体は「足りる見込み」としているものの、十分な備蓄が確保されているとは言えない状況です。特に、大規模な災害では避難所が長期間にわたって機能する必要があるため、トイレの確保は重要なインフラの一部です。
■ガイドラインへの対応の遅れ
内閣府が策定した「避難所におけるトイレの確保管理ガイドライン」は、避難所でのトイレの数や設置場所、衛生管理の基準などを明示しており、自治体にとって非常に有益な指針となっています。しかし、現実には多くの自治体がこのガイドラインに基づいた具体的な計画を作成しておらず、避難所でのトイレ確保に対する取り組みが進んでいません。これは、限られた予算や人手の問題、他の災害対策に追われる自治体の現状が影響していると考えられます。
■今後の対策と必要な取り組み
災害時のトイレ問題は、被災者の健康を守るために不可欠です。特に、長期間にわたる避難生活では、衛生環境の悪化が深刻な健康問題を引き起こす可能性があります。今後、自治体が取り組むべき課題として、以下の点が挙げられます。
1. **トイレ確保・管理計画の策定**:全ての自治体がトイレの確保や管理に関する具体的な計画を策定し、災害発生時に速やかに対応できる体制を整える必要があります。
2. **備蓄の充実**:備蓄トイレの数量を増やし、避難所におけるトイレ不足を解消するための具体的な対策を講じることが重要です。
3. **住民への教育と訓練**:災害時にどのようにトイレを使用し、衛生を保つべきかについての教育や訓練を住民に対して実施することで、混乱を最小限に抑えることができます。
■まとめ
避難所におけるトイレの確保と管理は、災害時の生活を支える基盤の一つです。各自治体が計画の策定や備蓄の充実に向けた取り組みを進めることで、次の災害に備えることが求められています。内閣府のガイドラインを基に、迅速かつ適切な対応ができるような体制づくりが急務です。
災害時のトイレ準備を忘れずに!